路上の羊

聖書の通読に挑戦中

創世記 1-19章

今日から聖書の通読を始めることとする。創世記のエピソードには馴染みがあるので、一度読み始めるとすらすらと読める。19章までのエピソードは天地創造からはじまり、楽園追放、カインとアベルノアの方舟バベルの塔、そしてソドムの滅亡などの有名エピソードが矢継ぎ早に登場する。こんな有名なエピソードが冒頭20ページほどで登場するとは思わなかった。自分がいかに聖書を読んでこなかったのかを思い知らされる。

特に楽園追放のエピソードについては、先にジョン・ミルトンが書いた『失楽園』を読んでいたので、もっと長く語られるものかと思っていたのだが、わずか2・3ページで終わってしまって驚いた。この短いエピソードを岩波文の上下巻のサイズまでふくらませたミルトンの想像力に舌を巻いた。

その他にもカインとアベルスタインベックエデンの東』の、バベルの塔テッド・チャンの『バビロンの塔』(『あなたの人生の物語』に収録)の題材になっていることが想起される。このように連想してみると聖書というのは本当に海外文学の基盤となっていることがわかって、大変に好奇心が掻き立てられる。聖書を読むのはもっと厳かでなければならないのだと思ってはいるのだけど。

また、全体的な感想として、人と神の関係が契約によってしきりに確認される点が特に印象的だった。また、ソドム滅亡の際にアブラハムが神とソドム滅亡取りやめの条件について交渉する場面は、申し訳ないけれども値切り交渉のように思えてしまった。ユダヤ人が商売上手といわれるのはこういう聖書における契約の思想が根付いているからなのだろう。